多くの妊婦さんを悩ます、夜中の「こむら返り」。
「こむら返り」とは、ふくらはぎの筋肉である「腓腹筋(ひふくきん)」が異常収縮して起こってしまう症状で、「足がつる」だけでなく、時には激しい痛みを伴うことも。
しばしば、夜中に起こる「こむら返り」によって睡眠を妨げられている妊婦さんも多いのでは?
妊婦さんの腓腹筋(ふくらはぎ)は、どうして固くなってしまいがちなのか?
さらには、どうして妊娠中の「こむら返り」って、こうも夜中に起こってしまうものなのか?
いろいろ検証してみました。
Contents
こむら返りの原因は特定されていない
実は、「こむら返り」の原因というのは、はっきりと特定されているわけではなく、諸説さまざまなのが実情です。
妊婦さんの場合、一般的に言われている原因としては以下のとおり。
○筋肉の収縮さい関わっている、カルシウム、マグネシウム、リンやカリウムといった電解質バランスの乱れ。
○筋肉にもたらされる過剰な負担によるもの。
○妊娠したことによるホルモンバランスの急激な変化によるもの。
おそらくは、基本的には、こういった原因が複合的に絡みあっているものと当院も考えるのです。
妊婦さんが腓腹筋(ふくらはぎ)に負担を掛けてしまう原因とは
それでは「こむら返り」について、当院なりの見解を詳しく述べていきましょう。
腓腹筋(ふくらはぎ)が異常収縮を起こしてしまう原因とは。
そして、それがどうして夜中に起こってしまうのか?
まずは、マタニティ期に大きく変化してしまう生活習慣から検証しましょう。
①生活習慣の変化による負担
妊娠初期から始まる「悪阻(つわり)」、そして、お腹の成長とともに血圧が上昇していくことにより高まってしまう心臓の負担。
「妊娠高血圧」に代表されるように、妊娠中というのはある意味、血圧との戦いでもあります。
さらには腰が反り返ってしまうことによる背中のコリや痛みなどの不快な症状によって、自律神経系のバランスが崩れがちに。
便秘に悩む妊婦さんも多いとお聞きします。
こういった事情もあり妊娠される以前と比べると、体調が万全でないことが多く、一日の活動量(運動量)が大きく減ってしまおうもの。
いきおい運動不足になってしまい、腓腹筋(ふくらはぎ)をはじめ全身の筋肉を固くしがちになるのです。
②血液中の電解質(ミネラル)のバランスの変化
次に挙げられるのが、妊娠による電解質とホルモンバランスの変化です。
妊娠すると女性の身体というのは、早い段階から出産にそなえて身体のホルモンバランスに変化が起き始めます。
もちろん、これによって、血中ミネラルバランスが大きな影響を受ける可能性もあるでしょう。
また、お腹の胎児の成育にも大量のミネラルが必要となってきます。
そのなかでも特にカルシウムが不足しがちとなります。
筋肉の収縮には、カルシウムやカリウムといったミネラルは欠かせません。
こうしてカルシウムやカリウム、リン、マグネシウムといったミネラル分が欠乏してしまうことにより、筋肉の異常収縮が引き起こされてしまうのも原因のうちのひとつかと考えます。
③筋肉の過負担によるもの
実は、妊婦さんというのは、日常的に思いがけず腓腹筋(ふくらはぎ)に負担を掛けつづけてしまっているのですね。
それはおもに次の2つの事情があるからです。
①妊娠ホルモンであるリラキシンの作用によってグラグラになった骨盤を下半身の筋肉がかばってしまうために生じる負担。
②お腹の成長とともに重心の位置がずれ姿勢が大きく変化してしまうため、おもに足を含めた下半身の筋肉の負担が強くなる。
妊婦さんはお腹の成長とともに、いわゆる「反り腰」と呼ばれる立ち姿勢に変化していきます。
その結果、股関節の筋肉が固くなってしまうので、臨月ともなると歩き方自体が大きく変わってしまいますよね。
そして、これら原因に、さらに追い打ちをかけてしまう条件が重なってしまうのが夜中なのです。
妊婦さんがどうして夜中にこむら返りを起こしてしまうのか?
では、なぜ妊婦さんは、こうも就寝中にこむら返りを起こしてしまうものなのか?
それは、就寝中に特有の条件がさらなる追い打ちをかけるから。
実は、筋肉はその性質上、動かないでいる時間があまりに長すぎると、硬直していってしまうものなのです。
それを踏まえて就寝中の状況を考えてみましょう。
夜はもちろん極端に運動量が減りますよね。
というより、寝返りを打つくらいしかしないはず。
そこに日中、負担を掛けつづけてしまった腓腹筋(ふくらはぎ)から真っ先に硬直(収縮)し始めます。
さらには両膝を伸ばして眠るポーズが、萎縮を始めた腓腹筋(ふくらはぎ)にさらなる負担を掛けてしまうことになってしまうのです。
(膝を伸ばして寝ようとする姿勢が、固くなったふくらはぎの筋肉を無理に伸ばすことに繋がり、ストレスとなるのです。)
このことで就寝中でも、腓腹筋(ふくらはぎ)においてミネラル分が異常に消費されてしまうのです。
そして、萎縮したふくらはぎの筋肉がその中を走る血管を押し潰してしまい、そこで血液の大渋滞が始まります。
滞留しつづけた血液中のミネラル分は、やがて、萎縮をつづける腓腹筋(ふくらはぎ)によって徹底的に消費されてしまいます。
さらには仰向けで眠ることによって、大きくなった子宮によって引き起こされる、臓器ごと腹部の血管が圧迫されてしまう状況も下半身での血液の大渋滞を助長してしまうことでしょう。
つまり、冒頭で挙げさせていただいた妊婦さんの腓腹筋(ふくらはぎ)が硬直してしまう原因に、さらなる追い打ちをかけてしまう条件が揃ってしまうのが夜中の就寝中ということなのです。
夜中に頻発するわけですよね。
マタニティ期に起きがちな「こむら返り対策」は?
それでは、マタニティ期における「こむら返り対策」は何かないものでしょうか?
まずは大前提として、妊娠中の症状全般に言えることなのですが、妊婦さんこそ早めの対策が大切だということです。
いよいよお腹が大きく成長する前に、きちんと腓腹筋(ふくらはぎ)を使って(足首を返して)歩くことを意識することから始めましょう。
まだ充分に動ける、妊娠初期〜中期の段階で、しっかりとした正しい歩き方で、長い距離を歩くことによって下半身まわりの筋肉を強くしておくことです。
それと姿勢変化によって、やむを得ず筋肉が疲れやすくなってくるはずなので、きちんと習慣的に下半身を中心にストレッチをすること。
シャワーで済ますのではなく、きちんと入浴することも大事。
また、妊娠されたことによって体内のミネラルバランスも大きく変化するもの。
とくにカルシウムなど、栄養バランスを意識した食事も大切にしたいものです。
ただ専門的には、腓腹筋(ふくらはぎ)のコンディションを左右する、とくに股関節まわりの筋肉のバランスを調整してあげるとだいぶ経過が変わってくるんですよね。
なので、「あれ?」と思ったら、症状が重くなる前に一度、早めに相談にいらっしゃってみることをお勧めしますね。
記事担当 三橋
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