【院長コラム】スポーツ障害によって引き起こされてしまう腰痛
慢性的な腰痛を抱えている方って、日本人は本当に多いですよね。
症状の程度もさまざま。
なかには日常生活に支障をきたすほどのレベルの方も。
「ぎっくり腰」のような急性症状を発端に慢性化させてしまったなんて方も多いのでは。
実は、大人になってから発症した慢性腰痛の原因が、成長期のスポーツ活動にあったなんてことも珍しくないのです。
いったい、どういうことなのでしょうか?
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成長期における過度な運動の弊害
まだ骨格が未完成で柔らかい成長期に過度の運動を繰り返すことで、いわゆる「スポーツ障害」を発症してしまうリスクが高まります。
繰り返される強い筋肉の収縮に耐えられなくなり、骨にひびが入ってしまうのです。
慢性化してしまう腰痛の原因として、とくに多いのが、「分離すべり症」。
腰椎分離症とは
とくに中学生あたりの時の部活動で腰を捻ったり、腰を反らしたり、ジャンプしたりすること繰り返すことで腰椎(背骨の腰の部分)に疲労骨折が生じることで発症します。
ちょうど構造的に脆く折れやすい部分があるのですね。
これを「腰椎分離症」と呼びます。
分離すべり症とは
症状を発症した時、ただちに部活動を中止して数ヶ月ほど安静に過ごせば、腰椎の亀裂部分が修復することも期待出来ます。
しかし、日本の部活動の現状は、痛みを我慢することが美徳とされがちで、鎮痛薬の力を借りてだましだまし運動を続けてしまうことが多いようです。
すると、もう亀裂部分が自然に修復することは期待できません。
そして、今度は徐々に患部が裂け目から「ずれていって」しまうのです。
患部の腰椎がずれていってしまうことを「分離すべり症」と呼びます。
ただちに「分離すべり症」になるわけではない
腰椎に疲労骨折が生じたから(腰椎分離)といって、ただちに「分離すべり症」に進行してしまうとは限りません。
時間の経過とともに、いちど腰痛が消失してしまうケースが圧倒的に多いのが特徴。
しかし多くの場合、長い年月をかけて徐々に症状が進行していき、競技から引退して10年以上経過してから強く腰痛を自覚し始めるケースもあるのです。
本格的なスポーツ経験のある男性の場合、5人に1人が分離症を持っているなんていうデータもあります。
そして、そのほとんどは無症状なのです。
潜在的な腰痛予備軍ともいえましょうか。
分離すべり症に進行すると
時間の経過とともに「分離すべり症」の症状が進行してくると、いよいよ日常生活での動作に影響が出始めます。
このタイプの腰痛だと、腰を反らしたり、長時間立ち続けたり、同じ姿勢をとりつづけたりすると途端に症状が憎悪するのが特徴。
重度なレベルになると、日常生活に支障をきたすほどの強い腰痛や、脚に神経痛が出現したりすることもあります。
腰痛があまりに引く場合は、いちど整形外科で検査することが望ましいでしょう。
原因が特定できれば、正しい対策も立てられるはずです。
分離すべり症が進行してしまったら
では、「分離すべり症」を抱えている方は、どうしたら良いのでしょうか?
骨折部分は、もう自然治癒が望めません。
ですので、この物理的に脆弱な部分を筋力で支えてあげる他ないのですね。
もちろん、姿勢や生活習慣など、患部に余計な負担をこれ以上掛けない工夫も大切。
もし医療機関で正確な診断をいただけたら、専門家の指導のもと適切な筋力トレーニングをされるのも良いでしょう。
体幹トレーニングなんかが理想だと考えます。
なお、症状が進行してしまい日常生活に著しく支障をきたすような場合は、手術という選択肢もあります。
でも、出来れば避けたい選択肢ですがね。
最後にひとこと
日本の学校教育の一環として実施されている部活動のあり方を変えなくてはならないと考えます。
やはり、成長期の子供に通年で同じスポーツをさせることの弊害に文科省が気付くべきなのではないかと。
アクシデントによる発症は、やむを得ないにしても、分離すべり症については大人の側に正しい知識があればかなりの割合で防げるはずです。
成長期の子供が痛みをおしてまで練習に参加するなんて行為は、ナンセンス以外の何ものでもありません。
精神主義、根性主義が美徳であるという幻想から、そろそろ学校教育が脱却するべき時なのだと私は考えます。
記事担当 三橋
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