腹筋はどうして6個に割れているのか?【産前産後ケアの重要なカギを握る腹直筋】
こんにちは。院長の三橋です。
今回は、いわゆる「腹筋」についての考察。
6個に割れた腹筋って、なかなか素敵ですよね。
この6個に割れる「腹筋」のことを正式には腹直筋といいます。
この腹直筋、実は筋肉のなかでもかなり特殊な構造を持ち、また、人体のなかでもとりわけ重要な働きを担っているのです。
それはもう、人体の筋肉における主役といっても過言ではないほどの存在。
わざわざ6個に割れる必要性が出てきたのも、それくらい人間のあらゆる動作に関与していて、繊細な働きが要求されるから。
もちろん、産後の女性の骨盤のコンディションにも大きく関与している筋肉であることは、言うまでもありません。
腹直筋のもつ特殊な構造について
上のイラストが腹直筋のイメージとなります。(※脇腹の部分は除く)
イラストを見てお分かりのように、腹直筋って、実は6個だけでなく8個に割れることもあるのです。
これは鍛えると6個から8個に増えるのではなく、生まれつきその個数は決まっているのだそう。
腹直筋は、その中心を縦に走る「白線」に対し、各区画に隔てる「腱画」によって、各ブロックに分節された構造を持ちます。
そして、これこそが腹直筋のもつ構造上の特殊性であるのです。
そもそも腹直筋が「割れている」理由とは
通常、人間の筋肉は1個ないし2個の関節をまたぎ、筋肉自身が収縮することで関節を曲げたり伸ばしたりするように働きます。
(※顔の筋肉は除く)
しかし、腹直筋がまたいでいる関節は1個や2個どころではないのです。
人間の背骨は椎骨という小さな骨が、それこそダルマ落としのように積み上がる構造をとっていて、それぞれ椎骨どうしの間には関節が存在しています。
その数、実に24個。
そんな背骨にあって、腰部から胸部にかけての関節をまたいでいるのが腹直筋という訳なのです。
言い換えると、優にふた桁を越える関節をまたぐ長大な筋肉であるということ。
そして、これを背中を縦に支える起立筋群と協調してバランスをとることで、絶妙な背骨のS字のカーブを成立させているのです。
また、人間が二本足で行動して、各動作における局面ごとにS字のカーブのバランスを保つには、腹直筋が一枚の平坦な筋肉であるよりも、数ブロックに分節した構造である方が「細かいコントロール」が出来て都合が良いという訳。
ことのほか縦に長い腹直筋を上部や下部だけ収縮させたり、また一度に全体を収縮させたりといった使い方が、全身の繊細な動作には必要だったということです。
妊娠中に大きなストレスを受けてしまう腹直筋
腹直筋は、その構造上の特殊性もあって、妊娠中とてもダメージを負ってしまいやすい筋肉としても有名。
先述したとおり、腹直筋は「白線」や「腱画」によって6個や8個といったブロックに分節する構造をとっています。
この「白線」や「腱画」が妊娠中から産後にかけて分泌されるリラキシンというホルモンの作用によって緩んでしまうからです。
さらには大きく膨らんだお腹によって、「白線」や「腱画」などといった緩んでしまっている組織が引き伸ばされ、場合によっては裂けてしまうなんてことも。
また、そうでなくても伸ばされ弱ってしまった腹直筋が骨盤をうまく支えられなくなることによって、産後特有の腰痛を誘発してしまうことに繋がるのです。
これがいわゆる「反り腰」に原因をもつ腰痛の正体。
産前産後ケアの重要なカギをにぎる腹直筋
日頃、当院の「マタニティ整体コース」に訪れる妊婦さんたちを拝見していると、つくづく人間の体って巧妙かつ精巧に出来ているものだと感心させられます。
お腹のなかの子がちゃんと大きく成長していけるように、ある意味、腹直筋が縦横に伸びるように出来ているとも考えられるからです。
また、妊婦さんの縦横に大きく伸ばされてしまった腹直筋でも、ある程度は機能できることを骨盤軸整体における妊婦さん体幹の回復ぶりから確認することが出来るのです。
つまり、妊娠中とはいえ、臨月ギリギリまで「ある程度」腹直筋が働いてくれないことには困るということ。
そして、出産後は人体のバランスの大部分を支えなくてはならないはずの腹直筋の機能回復こそが大きなカギを握っているということは、言うまでもありません。
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