丹田という産後ケアにおけるひとつの考え方【骨盤軸整体で丹田に軸を通す理由】
こんにちは。院長の三橋です。
昨今の体幹ブームもあってか、今や「体幹」という言葉は、かなり一般に浸透してきたように思います。
もちろん、当院の考える「産後ケア」においても、「体幹」という考え方は非常に重要視するところ。
それは当院の提供する「産後ケア」の基軸をなす「骨盤軸整体メソッド」において、周産期の女性の体幹を回復させることこそが本質的な「産後ケア」であると考えるからです。
ところで、実は古来から日本でも、今で言う「体幹」に繋がるような考え方が存在していたのです。
それが丹田(たんでん)という概念。
そして、丹田という考え方から、日本人が目指すべき「体幹」および「産後ケア」が見えてくるのです。
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日本人と欧米人との身体的特徴の差について
日本人と欧米人を比較して、真っ先に思いつく身体的な特徴とは何でしょう?
肌の色や髪の色はもちろんのこと、手足の長さ、顔の大きさ、そして、お尻の形が真っ先に思いつくのではないでしょうか。
この「お尻の形」について。
標準的な日本人のお尻は、欧米人、とくに黒人の方々のそれと比較すると、圧倒的に平たく下がってしまっているのが特徴です。(ジーンズを穿いても日本人は、なかなかサマにならない理由がこれです。)
そして、その原因は、実は骨盤の角度にあったのです。
一般的な黒人の骨盤は日本人よりも深く前傾していて(腰が反っているということ)、これがヒップアップ効果を生む決定的要因となっています。
ただ、日本人が同じように骨盤を前傾させるように使ってしまったら、間違いなく腰痛などを誘発してしまうでしょう。
それは、日本人が先天的に腸腰筋※と呼ばれる筋肉が弱いから。
(※腸腰筋とは、腰椎を前に押し出して背骨のS字のカーブを作ることで、骨盤の位置決めをしている筋肉です。大腰筋と腸骨筋とに分けて考えることもあります。)
黒人は先天的に日本人の3倍もの太さの腸腰筋をもっていて、これのおかげで前傾気味の骨盤を物理的に支え切れてしまえるのです。
日本人は腸腰筋が細いので、前傾させすぎると骨盤を支え切れず他の筋肉にストレスがかかってしまうのです。
生活習慣や文化が腸腰筋の太さの違いを生んだ?
それでは、なぜ日本人と黒人とで、こんなにも腸腰筋の太さが変わってしまったのでしょう。
諸説あるようですが、よく云われるのが「生活習慣の違い」によるもの。
狩猟民族を祖先にもつ黒人は、獲物を追って走り回る必要があったのに対して、農耕民族を祖先にもつ日本人は、ひたすらに地べたに座る文化であったこと。
これが両者の腸腰筋の発達に違いを生む結果に繋がったと云われています。
また、白人も椅子から座ったり立ったりする習慣があったぶん、日本人よりも腸腰筋が太く発達したのだと云われています。
日本人の地べたに直接座る文化が丹田を発達させた
それでは日本人も、腸腰筋を鍛えて太くすれば、骨盤を前傾させて、走力を高めることが出来るのでしょうか?
それは難しいでしょう。
本来、インナーマッスルである腸腰筋は鍛えたところで、そう簡単には太くはならないからです。
要は、黒人は太い腸腰筋を先天的なポテンシャルとして、あたかもアウターマッスルのように使えてしまえるというところに最大の強みがあるということ。
また、白人の持つ椅子の文化に比べると、床から直接立ち上がる文化をもつ日本人は、民族的に腸腰筋ではなく「別の筋肉」を発達させざるを得ない結果に繋がったはずなのです。
それが、丹田だったのです。
椅子から立ち上がる時は腸腰筋の力を充分に使えるのに対して、正座や胡坐(あぐら)の状態から立ち上がる時には丹田の力をうまく使えないと立ち上がることが出来ないのです。
つまり、日本人は腸腰筋でなく、丹田という部分を発達させることで、床に直接座る文化を成立させてきたのです。
丹田とは、いったい何なのか?
ところで、丹田とはいったい何なのでしょう。
丹田とは日本古来から伝わる、あくまで「概念的なもの」であり、丹田と呼ばれる場所は、お臍(へそ)の少し下あたりに存在するとも云われていています。(諸説あるようです)
大きな力を生み出す場所であったり、精神的な力が宿る場所であったり、東洋的な思想にもとづく考え方である以上は、あくまで「概念的なもの」としか言いようがないのです。
ちなみに解剖学的な場所においては、ちょうど小腸にあたるところに丹田は位置します。
ただ、個人的には丹田とは、腹横筋と骨盤底筋あたりを指すのではと考えます。
つまり、解剖学でいうところのインナーユニットそのものということ。
いわゆる丹田を意識することで、古来の日本人は所作において無意識のうちに「腹圧を高める」ように身をこなしていたのではと考えざるを得ないのです。
つまり、丹田に力を込めるとは、腹横筋や骨盤底筋を意識することによって腹圧を高め、体幹を強化するためのひとつのテクニックだったのではないかと。※(※もちろん丹田のもつ精神的な意味合いについては除きます)
丹田は「産後ケア」においても、ひとつのヒントになりうる
おそらく日本人は、床文化ゆえにあえて腸腰筋を大きく発達させることなく生活してきたのでしょう。
そして、丹田を意識することで腹圧を高め、その細い腸腰筋の出力を効率よく高められるように発達させてきたことが推測されます。
江戸時代の飛脚がとんでもない距離を毎日走り抜けていたのも、行商の女性が自分の体重の倍以上もある荷物を背負っていられたのも、丹田、つまり体幹に秘訣があったはずなのです。
しかし、すっかり丹田が衰えてしまった現代日本人においては細い腸腰筋が仇となり、お尻の筋肉の弱化や腰痛の元凶を作ってしまっているのが現状です。
でも逆に考えると、日本人であればこそ、丹田(体幹)を意識することで、見違えるような身体のパフォーマンスを取り戻すことが出来る可能性があるとも考えられないでしょうか。
丹田をうまく使いこなすことで、日本人の身体は腸腰筋の機能が跳ね上がるようにデザインされているはずだと考えるのです。
それは産後ケアにおいても同じで、丹田にこそ身体の不調を改善させる重要なヒントがあるはずだと考えるのです。
そして、骨盤軸整体のなかに、まさしく「丹田に軸を通す」なるアプローチがあることも付け加えておきます。
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